技⑩ 不良グループの一メンバーでならす少年が、
2020年12月1日 日常
不良グループの一メンバーでならす少年が、ある日気まぐれに忍び込んだ留守宅のアパート。その主は、仲間うちでも畏敬をもって知られる年上の少女だった。
部屋に貼ってあるその写真に一目ボレした彼は、後に彼女と近づきになるチャンスを首尾よく得る。主人公は、少女を振り向かせたい一心で背伸びをするのだった。少年とマドンナ、プール、夏の陽射し。
青春映画の条件をふんだんに備えているけれども、けっして感傷的なだけでない。語り手が回顧する70年代北京は文化大革命まっただ中で、人民服のパレード光景、ロシア民謡を唄う少年たち、といった、時代を感じさせるシーンも随所にある。しかし何といってもこの作品の見どころは、混沌の時代を舞台にしてよりいっそう鮮やかな、「若さ」のパワーの炸裂だ。
監督は『紅いコーリャン』の主演俳優チアン・ウェンで、本作品が監督デビュー作となる。33歳の監督のリアルタイムな時代感覚に支えられたストーリーは、仕掛けに富んだ映像によって、実に理知的に語られていく。撮影は『さらばわが愛』も担当したクー・チャンウェイだ。みずみずしく、そして力強い。『太陽の少年』はテンションの高い、必見の現在中国映画である。
部屋に貼ってあるその写真に一目ボレした彼は、後に彼女と近づきになるチャンスを首尾よく得る。主人公は、少女を振り向かせたい一心で背伸びをするのだった。少年とマドンナ、プール、夏の陽射し。
青春映画の条件をふんだんに備えているけれども、けっして感傷的なだけでない。語り手が回顧する70年代北京は文化大革命まっただ中で、人民服のパレード光景、ロシア民謡を唄う少年たち、といった、時代を感じさせるシーンも随所にある。しかし何といってもこの作品の見どころは、混沌の時代を舞台にしてよりいっそう鮮やかな、「若さ」のパワーの炸裂だ。
監督は『紅いコーリャン』の主演俳優チアン・ウェンで、本作品が監督デビュー作となる。33歳の監督のリアルタイムな時代感覚に支えられたストーリーは、仕掛けに富んだ映像によって、実に理知的に語られていく。撮影は『さらばわが愛』も担当したクー・チャンウェイだ。みずみずしく、そして力強い。『太陽の少年』はテンションの高い、必見の現在中国映画である。
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