技① 情報社会が個人にどのような影響を
 情報社会が個人にどのような影響を与え、また社会を変えていくかは、今日の重大な問題である。情報技術がいかに急速に進化したかは、インターネットの普及速度を見ればわかる。アメリカ商務省の調査によると、5,000万人に普及するのに、ラジオは38年、テレビは13年、パソコンは16年かかったが、インターネットは4年しかかからなかったという。
 さて、こうした情報技術は、教育という分野に対してどんな影響を与えるだろうか。これまでの教育は、人と人との直接的な関わり合いを中心に行われ、したがって、場所や時間に制約されてきたし、コストも非常にかかっていた。だが情報技術はそうした問題の多くを解決できる。伝統的な教育は、情報技術の発展によって、これまでにないほどの大きな変革を受ける可能性がある。
 しかし一方で、人間を育てるということが他の人間との触れ合いなしに行われるというのも考えにくく、また残念なことでもあるのではないか。さらに、一人一人が意味と価値を持つ存在である以上、その育成にコストがかかることも当然のことだ。教育に関してはこのような人間的な側面に技術が歩み寄っていく方向で親展していくべきであろう。

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