問題③ 総数にして五万を超すといわれる漢字も、
 総数にして五万を超すといわれる漢字も、実は、象形・指事・会意・形声という四つの方法で作られたものでしたね。
 これを研究した人は、今から1800年も昔のことですが、許慎(キョシン ?-121?)という人です。彼は孔子・孟子などがうちたてた儒学の研究で他に並ぶ者がいないほどの学者でしたが、高級役人になるより民間の学者として学問に打ち込みたいと願い、その通りの成果を収めました。
 そして許慎は、それを『説文解字(せつもんかいじ)』という本にして出版しました。これには、当時、中国で使われていた9353の文字がとりあげられ、説明が加えられています。もちろん昔のことですから、その後の古代文字の研究によって修正しなければならなくなったものも少なくありません。が、なんといっても漢字の成り立ちを整理して、まとめあげたのは許慎でした。彼はこの本の中で、漢字の成り立ちの原則を「六書(りくしょ)」と呼んで六つに分類しています。
 では、六つというなら、あとの二つは何でしょうか。実は、象形・指事・会意・形声は漢字の「作られ方」=構造でしたが、あとの二つは、こうして出来上がった文字の「使われ方」だったのです。

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